※平日に一話ずつ更新しております。
忙しい時期のため更新ストップしておりますが、余裕が出来たら再開する予定です。
レイファール公爵家の長女、リーティア。
才色兼備、眉目秀麗。その立場もさることながら優れた魔力まで持っており、王太子妃として最有力候補でもある彼女は学園に通う生徒達の憧れの的であった。
貴族としての胸を誇りにもち、規則正しい毎日を過ごしていた彼女であったが、ある日とある少女が学園に入学してくることを知る。
その名はステラ。平民であり姓はない彼女であるが希少な「光」の魔力に目覚めたらしく、保護兼国の未来のため伯爵家に養子として迎えられリーティアと同じ学園に入学することになっていた。
その魔力の稀少さゆえ、突然現れた王太子の妃候補として名を連ねることになるのは明白で、リーティアはより気を引き締めなければならないと気持ちを改めた。
──しかし
「ステラさん!? 貴女また遅刻する気ですか!? 今月だけで何度目かと……!!」
「……いや、もう、起きるとか……そういうの、無理だから……」
「ちょっと、なんで寝直すんですの!? いいから早く起き、起きなさい!!」
いざ学園にやってきた彼女はあまりにも怠け者で、それはそれはだらしなさすぎる少女であった。
「なんで、なんでわたくしが貴女の世話なんか……!」
「だってお付きのメイドさんなんていないし、というか放っておけばいいじゃん」
「そういうわけにもいきませんの! あと言葉遣いもちゃんと直してくださいまし!」
このお話は学園を舞台にした激しい王妃争い……などではなく、何とか怠けたい不思議な少女とそんな彼女を品行方正に躾けたい公爵令嬢の騒がしいお話。
「……おかしいなぁ。漫画だったらただの悪役令嬢だったのに……」
「え? 何かおっしゃいまして?」
「んーん、早く寝たいなぁって」
「さっきまで寝ておりましたわよね!? あと言葉遣い!」
「はいはい……」
「「はい」は1回!!」
果たしてリーティアはステラをキチンと躾けられるのか……
それは誰にもわからなかった。
この作品は基本的にほのぼのとした物語で、シリアスな展開や誰かが傷つくような描写は出来るだけ出さない予定です。
ちょっと日常に疲れた方にお届けしたい思いで書いておりますので、どうぞよかったら読んでくだされると嬉しいです。