「ねぇ、そのグロス可愛い色!どこの使っているの?」
大学一年の春、橘リナとの出会いはその一言から始まった。
「あ…ありがとう…。えっとCC社の春の限定カラーの…」
「えーリナも欲しい〜!まだ売ってるかな?」
「どうかな…?」
「あのね、えっとぉ…ちょっと貸して欲しいな…?リナも使ってみたい…」
自分の「可愛い顔」の使い方を知っているのだろう…上目遣いにリナが言う。
「あー…私、他人と共有とかそういうの嫌で…CC社のサイト、見てみて」
「えー。つまんなーい。じゃあ、いらなくなったらリナにちょうだいね!リナ、待ってるから!」
リナはそう言うと、ガタリと大きな音を立てて椅子から立ち上がり教室から出て行った。
「ずるい!いいな〜」と、なんでも欲しがる隣人。色々盗まれるので、死も盗ませてみた。
R15は念の為になります。