孤児院で暮らしているセシリアは親を知りません。家族を亡くして孤児院に引き取られたときには記憶を失っていたからです。
そのことをセシリアは全く気にしていません。
事情を知っている院長は名前と誕生日を決めました。セシリアは知りませんが記憶を失う前と同じです。
ですが失った記憶について院長が話すことはありませんでした。
院長にはセシリアが記憶を思い出すことを避けているように見えたからです。
セシリアの暮らすエアリー王国は孤児院にいる女の子が10歳になると神殿に行き聖女であるのか確かめることになっています。
神殿には聖女が触れると光る水晶が置いてあります。
10歳になったセシリアが水晶に触れると光りました。
この日から聖女として生きることになった女の子の物語です。