佐藤大翔はバドミントン部に所属する、ごく普通の男子高校生だ。
世界を救うための才能なんて皆無の一般モブだったのが、やむをえない事情で勇者として任命されてしまう。
頼れるものは、ラジオから流れてくる謎の音声のみ。
勇者として与えられたチートはあるが、戦闘力はチンピラに殴られたら普通に負ける程度。
抗う相手は、存在するだけで世界を滅ぼす超越存在が二体。
勇者としての使命は、そんな超越存在を倒すこと――ではなく、なんやかんや上手く交渉し、自分の世界からの立ち退き要求を通すことである!
「いや、無理だと思うんだけど?」
『《私も同感ですが、世界の命運がかかっているので駄目元で頑張りましょう》』
これは、普通の少年が勇者として成長していく冒険譚だ。
相棒と共に、数多の異世界を渡り歩き、普通の日常を取り戻すための物語だ。
――――さぁ、運命をぶち壊すための旅を始めよう。