(ああ。私はまた私だったのね)
誕生日の朝、17歳になったばかりのアリスは、鏡を覗き込んだ瞬間に自分の輪廻転生に気がついた。
前回のアリスは、有栖という名の黒髪黒目の平民だったが、今回のアリスは、金髪で紫の目をした侯爵令嬢のアリスとして生まれ変わっている。
そして以前見かけただけの伯爵令息が、共に転生を繰り返しているリヒトだと気がついた。
この人生では言葉を交わした事もない彼だが、記憶を取り戻した魂が「彼がつがいだ」とアリスに告げている。
彼はまた今度の人生でも、他の女性を選ぶのだろうか。
つがいと結ばれない運命を繰り返すアリスが、運命の糸を断ち切るまでのお話。