202Ⅹ年、日本を大地震が襲う。
各地に大きな被害は無かったものの、それを境に人を襲う謎の怪物が出没し始めた。
夜道に突然現れる怪物に襲われる人々。失われる日常。
安全確保のため近所の見回りをしていた粘大智朗(ねばだい ともろう)の元に、年の離れた妹の悠(ゆう)が怪物に襲われたという連絡が入る。
ベッドに横たわる変わり果てた妹の姿を見た智朗はその場にくずおれた。
怪物と化した妹のあまりの可愛さに、智朗の心は囚われてしまったのだ。
元の姿に戻りたいと泣く妹を見て、智朗は悟った。
妹を元に戻さないために、俺は生まれてきたのだと。
徐々に異界化していく世界。混乱する人々。
見回りで遭遇した怪物を殺したことにより、知らず知らずのうちに強くなっていた智朗は、人々を守るために立ち上がらない。
どころか、一致団結し世界を元に戻そうとする人々をこれでもかと邪魔する智朗。
やがて智朗と人々の争いは激化し、世界の異界化などそっちのけの戦いへと突入していく。
果たして智朗は、世界を完全に異界化し、妹の怪物化を恒久的なものとすることができるのか?