山田直樹はごくごく平凡な顔立ちをした高校生。学業成績は中の上。コミュニケーション能力が低く、人と馴染めないでいた。
高校2年生の家庭科の授業で、調理実習が行われた。
一部の生徒がふざけ、手を離れた包丁が山田直樹の頸動脈を切ってしまう事件が起きてしまった。
彼は耐え難い痛みと恐怖に苛まれながら絶命した。
次に目が覚めると彼は浜辺にいた。右手には巻物のように丸められた紙が握られていた。
その紙には衝撃の事実が書かれていた。
ここは異世界で、山田直樹は転生したとのこと。
この世界はゲームと同じようにレベルの概念が存在し、死んでも蘇生が可能。念じるとステータスが確認できるようになっている。
山田直樹は自分のステータスを確認して目を疑った。
〈LEVEL -100〉
山田直樹は他のステータスも確認したが、どの数値も1。
たった一つ、1ではない数値を見つけたが、その数値が示していたのは成長限界値。
〈MAXIMUM LEVEL -100〉
この世界では、どのステータスも、レベル1でもまず10を下回ることはないが、山田直樹のステータスはレベルに関係する事以外全て1だった。
HPが1しかないからコケるだけで死、人と肩がぶつかるだけで死。
力のステータスが低すぎてモンスターを倒す事も、装備を身につけることも出来ない。
素早さのステータスが低すぎてモンスターから逃げることも出来ない。
防御力が低いから敵の攻撃が痛い。
魔力が低いから何のスキルも使えない。
お金すらも一切無し。無一文!
山田直樹の第二の人生は圧倒的な絶望感と共にスタートした。
アルファポリスにて85まで更新済。
続編も更新中。