※タイトル微修正しました。
絵に描いたような嫌われ者の悪役貴族、アクア・リュクセンブルク。西園拓斗はある日、自分が大人気スマホアプリに登場するその人に転生していることに気付いた。容姿端麗ながらも性格最悪、典型的な小悪党であるアクアは天賦の才を持ちながらも、物語においては序盤で退場する破滅確定のキャラクター。
拓斗はどうにか挽回を試みるが、時すでに遅し。物語はもうチュートリアルを終え、アクア退場まで秒読みという状況だった。しかしこのまま無意味に終わりたくはない。そう考えた末に、拓斗が選んだのは自ら貴族の地位を捨てることだった。
野へ下り、平民となったアクア。自分の力を活かせる環境はどこかと悩んだ結果、彼は冒険者となることを決意するのだった。かつて神童と呼ばれた少年は、絶え間ない努力によって頭角を現していくことになる……。
――一方その頃。
物語に発生した小さな綻びは、時が経つにつれて思わぬ動きを見せ始めるのだった。