エリスには夢がある。
家督を完璧に甥っ子に継承させて自分は自由気ままに領地で余生を過ごすことだ。
殆ど自分が育てたとも過言ではない甥と姪は今日学園を卒業して一貴族として名乗れることができる。
きっと見目麗しい2人のことだ。学園で婚約したいと思うほど良い人を見つけたに違いない。
見つけられなくても領地の運営を学ばせつつ、大事なパートナーを見つければいい。
そうすれば私は自由の身になれる。
楽しみに待っていた2人の帰還。
けれども彼らは引きつった笑顔だし、絶対に身分が釣り合わないだろう男女もいる。
しかもなに?この失礼すぎる手紙は?
は?第4皇子の紋があるし、公爵家からもだと?
しかも甥姪はただ巻き込まれただけ?一番の被害者はウチじゃない?
ふざけんじゃないわよ!!ダンジョン持ちの領地をバカにしないでくださる?