俺は、レオンハルト・イルヴィルとして異世界に召喚された。それは高校時代にハマっていたゲームの主人公の名前だった。その異世界は、ゲームの内容と酷似していた。
悪役令嬢、勇者、聖女。彼らが紡ぐ物語は、すべて頭の中に入っている。
困惑する中、俺は一人の少女と会った。夜の公園で歌い、一人で泣いていた少女は、悪役令嬢エレリア・オルタンシアその人だった。
ゲームとは違う、現実味を帯びた彼らの生き方に戸惑う。しかしその中ではっきりとしたことがある。悪役令嬢は、案外照れ屋で寂しがり屋だった。
彼女を放っておけば、壮絶なバッドエンドを迎えてしまう。そんな未来を回避するために、不器用ながらも奮闘する話。