俺の彼女は厳しい。
恋人らしい甘さなんてまるでなく、家に呼んでも、触れることすら許されない。
「私はそんなことをするために、あなたの家に来たわけではないの」
「ぼーっとしていないで、勉強しなさい」
まるで先生か母親のような口ぶりに、心が折れそうになる。
恋人って、スキンシップするもんじゃないのか?
彼女——渚沙は真面目だ。俺もそんなところに助けられて、惹かれた。
でも、この恋は苦しいだけで。
「……渚沙。別れよう」
限界を迎えた俺は、ついにその言葉を口にした。
——そして初めて、自らの過ちと、渚沙の本当の気持ちを知ることになる。
これは、不器用な彼氏と、真面目すぎる彼女の、すれ違いから始まる——再構築ラブコメディ。
※カクヨムにも投稿しています。