天界で修行中の若い神が、ふと思い出した。
「そういえば、宗教作ってもらってたっけなぁ~」
200年前、彼は下界に降りた際にある村を助け、その時に自分の宗教『イラナミ教』を作ってもらっていた。
宗教が今どうなっているか見に行くため、サプライズもかねて、彼は“人”となって下界に降りる。“人”としての名前は『ラナイ』となった。
かつて彼が救った村は今もイラナミ教を信仰し、しかも大都市になっており、ラナイは喜ぶ。
しかし、街にあったイラナミ神像が自分に比べあまりにイケメンだったので笑ってしまい、ラナイは投獄されてしまう。
そこでラナイは若く美しい娘レーアと出会い、
「私たちは公開処刑されるんです」
と教えられ、処刑の危機に……。
自分の宗教が独裁者の道具となり果てている現状を知ったラナイは、神として――いや人間として、虐げられている人々を救おうと決意する。