ある日、突然婚約破棄されたエミリアは、公爵家の息子であるアレクサンダー・ハーウッドに怒りの手紙を送る。
アレクサンダー・ハーウッド様
こんにちは、アレクサンダー・クソッタレ・ハーウッド卿。
いかがお過ごしですか?
お手紙を書くのはこれが何回目でしょうか。
もはや覚えていませんが、私は元気にやっておりますわ。
「元気」と言いましても、なぜか目の周りがとても赤く、まるで婚約破棄されて泣きはらしたかのように痛いんですの。
ああ、やだ、私ったら……思い出しましたわ。婚約破棄されたんでしたね、あなたに。昨日。
手紙から再び始まるふたりの恋愛ストーリー。