何の脈絡も無く、何一つの説明も無く。
不意に、無慈悲に。
突如、自身の知らぬ世界へと送られたら――その人間は、一体どのような行動に出るのか。
戸惑う?
泣き喚く?
激昂する?
途方に暮れる?
――いずれにせよ。
己が直面した状況には、自分自身で立ち向かうことでしか、活路を開くことなど全く以って不可能だろう。
それがどれほどまでに――過酷で、理不尽な環境だとしても。
化け物相手の殺し合いを促されても。
同じ人間同士での、命のやり取りを強要されることになったとしても。
――故に、彼は歩き出す。
歩み続ければ、いつか光が見えると信じて。
この物語は、フィクションです。
特定の人物、名称、団体などを貶める意図は、一切含んでおりません。