とある城に住まう魔王ラストスーラ、彼女には若きころから彼女が魔王になる前から使え続けてくれた一人の執事がいた。しかし、ある日。大時計の針が重なり合った時執事は彼女の前から姿を消してしまう。彼女は考えた、彼は少し休暇を取っただけなのだと。自分がもっと立派に魔王として君臨すればすぐに戻ってきてくれると。しかし彼女はその存在故に知らなかった、この世界が現実のVRMMO技術によって生まれた世界だということを、彼がこのゲームの最後のプレイヤーだということを、彼が消えてしまったのはゲームのサービスが終了したからだということを……
そしてこのゲームの運営は知らなかった、彼女の悲しみが別次元に世界を作り出したことを、彼女がその世界でただ一人の男を待ち続けていることを……