半年前のある日、不知火和樹は唐突に異世界で目を覚ました。
理由も何も分からないままに、それでも理解出来たことは、何故か直前までプレイしていたゲームのスキルが使え、ステータスがそのままだということだけ。
ただしそれを使いこなせるかどうかは、また別の話ではあるが。
剣と魔法の世界であったその世界だが、当然のように生きていくには金が必要だ。
しかし身分の証明すらする術のない和樹が、まともなところで働けるわけがない。
かくして唐突に異世界へと投げ出された少年は、とある職業へとその身を堕とすこととなる。
その名は、冒険者。
この世界で最底辺と悪名高い、ゴミ共の掃き溜めである。
そして訪れた街の名は、城塞都市カルデア。
西の最果てにして、人類の最前線。
そんな場所で和樹は、自分の力や奴隷の少女などに振り回されながら、日々を過ごしていくこととなるのであった。