王命で「政敵」の辺境伯に嫁ぐことになった侯爵令嬢ローズ。
初夜に「君を愛することはない」と突き放され、あげく別居宣言。
それでもローズは仮の妻として「辺境伯夫人としての務めを果たす」と心に決める。
けれど実は夫には「ある秘密」があって…
使用人の労働環境改善、炊き出し、バザーや菜園づくり……邸内や領地の改善に尽力する仮妻ローズ。
その真摯な姿は、周囲に自然と"愛される辺境伯夫人"として認められていく。
一方でヘンリーはどんどん状況をこじらせて暴走……。
歩み寄ろうとする二人に、新たな事件が降りかかる。
"災い転じて福となる"のか?
覆せない王命政略結婚、複雑化する両家の関係、それらがやがて二人の未来を大きく変えていく。
真っ直ぐな仮初の妻と不器用な辺境伯。すれ違いで始まった"仮初の夫婦"は本物になれるのか?