魔導師の母と剣聖の父を両親に持つソニアは、英才教育を施されてきた。
だが――
「あなたに、魔術を極める才能は無いわ」
「女では努力しても剣聖には成れん」
ソニアはそのどちらからも未来を否定された。
だが、彼女は諦めずに夢を目指し続けた。
諦めなければいつか叶うと信じて。
しかし、魔術では各属性のスペシャリストに一歩及ばず、剣では男に勝てなかった。
何者にも成れない。
そんな弱音を打ち消すように、彼女は自らに厳しい鍛錬を課し続けた。
いつの日か頂に至るため。
だが、彼女は知らなかった。
全ての分野において頂点に一歩届かないということは、総合力では最強だということに。