はっきりとは覚えてないが、物心ついたときくらいに感じた、自分の中にある『何か』。
時限爆弾めいた、歳を重ねるたび強くなっていくその感覚。
いつか、最悪のタイミングで爆発するのでは。
漠然としたそんな不安を抱えていた俺は、高校一年の夏休みを前に命を落とした。
死因は居眠り運転のトラック。
異世界には行けなかった。
代わりに、長年抑え込んでた『何か』が解放されて、この世に舞い戻った。
理屈も理由もわからない。
まあ、とりあえず人生をまた続けよう。あと新鮮な人肉食いたい。生き血飲みたい。
そしたら学校三大美少女の一人が殺しにきた。討伐だと?
化け物呼ばわりしやがって失礼な。
あっさり返り討ちにしてやったら他の二人まで来た。
さらには、彼女らとは別組織の女の子や、バチカンの騎士団に属するシスターも現れ、てんやわんやだ。
騒がしすぎるぜ、全く。
──こうして俺は、この世の裏側、オカルティックな業界に足を踏み入れたのである。
旧題『ただの男子高校生だった俺、チート人外として復活する~高嶺の花に退治されそうになるところから始まる最強退魔師ライフ~ 』からタイトル変更しました