日本を代表する大企業のひとつ「五菱建設」の役員である『水卜源十郎』は、ある日社長から、ひとつの裏取引の仲介を頼まれる。
「大きな公共事業を裏受注する。そのために見積書を改ざんして欲しい」
という内容だ。この公共事業は、東京都武蔵野市に全長1000メートルの「ムサシング・二刀流タワー」を建設する大プロジェクト。政治家と密約を交わす中、源十郎は自分の会社が大きな負債を抱え、倒産寸前の危機に陥っていることを知ることになる。何としても公共事業を受注しなければ、会社は潰れてしまうのだ。
そんな源十郎の前に、海外企業からの買収、ライバル企業からのヘッドハンティング、謎の組織に所属するエージェント、機密情報を盗もうとする探偵、いきなり肉体関係を迫る部下、清掃の田中さん、などの様々な人間が現れる。やがて政治家の秘書が不可解な自殺を遂げ、自らの命を狙われる事件まで発生する。全ては公共事業を巡る事件なのか、それともまだ会社には隠された秘密があるのか、内部や政府にスパイがいるのではないか、疑心暗鬼に陥る源十郎に、社長がまた裏取引の仲介を持ちかける。
「株価の操作を行い、あえて一度暴落させる。インサイダー取引するように話をつけてくれ」
この言葉を受けて、源十郎の中にある正義感が湧き上がる。このまま社長の指示に従い不正に手を染め続けるのか、それとも全てを公開して会社を正すべきか、もう会社を去り新しい人生を始めるべきか、葛藤の中で源十郎はひとつの決断を下す。
「私は明日の日本経済のために、正義の信念を持って会社を動かそう!」
そう決意した源十郎の前には、厳しい茨の道が広がっていた、ということは全く関係なく、ある日、隠していたオナホが娘に見つかっちゃった、というお話です。