これは、どこか遠い異世界での物語。中央大陸最大の国家、エリクセン王国東方の辺境に住む少年レオンは、突如、預言書に記された神の子「運命の御子」として、ザウム教団によって王都へと連行される。それから10年。ある時、自分が偽者の御子であり、いずれ抹殺される事を知ってしまう。
絶望に打ちひしがれるレオン。しかし、偶然にも封印を解いてしまった謎の存在、影(シャドウ)の導きに従い、全てを捨てて旅立つ事を決意する。ろくな魔法の使えない、自称・天才魔法使いのエレナを仲間に加え、西へと向かうのだが……。
迫り来る王国の追手、戦姫フランシーヌ。レオンを付け狙う隣国の特務部隊、更に南方の異教徒の刺客が動き出す。持つ者の魔力を高めるという魔唱石を巡る戦い、そして太古の魔法・黒の秘呪に隠された謎。
影(シャドウ)の目的は? 運命の御子とは、何なのか? 果たして、旅路の果てに待ち受けるものとは―――