彼女が出来た。
彼女は聖母だ。
嘘じゃない。篁 御寿(たかむら みこと)は聖母だ。
優しさの塊といっていい。彼女の周りでは負の感情が消え去る。なにを取っても最高なのだ。
そんな素晴らしい人が僕の彼女になった。
どうして聞かれても僕が一番分からない。告白したのは僕だけど、なんで付き合ってくれたのかまるで分からない。
そんな彼女だからか。どこへ行っても人助けする場面に出会ってしまう。困ったことは見過ごせない性格なのだ。
助けるひとが男だろうと、女だろうと変わらず助ける。
正直嫉妬もするし、放っといて僕ともう少し一緒にいてほしいとすら思ってしまう。でもそんなの彼女のやってることを否定することになる。そんなの失礼だ。
ちなみに僕には一人幼馴染がいる。
早乙女 奉子(さおとめ ほうこ)は幼馴染だ。
彼女は奉仕が好きだ。
誰かに尽くす、のが好きだ。
僕もよく身の回りのことを手伝ってもらっていたりした。
最近は彼女と付き合うことで疎遠になっていたけど、つい数日前に久しぶりに会話した。
その時に、さっきの嫉妬やらの話をするとこんなことを言われた。
「そーちゃんがもっと人助けをできるようになれば、必然的に時間が出来て、彼女さんと一緒になれる時間が増えるのではないですか?」
そこで始まった幼馴染との特訓。
順調に進んでいくほーちゃんとの特訓。僕の人助けスキルも上がって、篁さんも喜んでくれてる。良かった良かった。
で、済んでくれたら良かったんだけど..。
人助けをするスキルが上がっていくことで、他の人の好感度もちょっとずつ上がってしまって...ちょっとしたモテ期に。
ごめんほーちゃん助けて!...え?ほ、ほーちゃん?なんか様子が...も、もしかして...?
....なんか、篁さんの雰囲気が最近変わったような。オーラが光じゃなくて、闇を滲ませている気が...いや気のせいか。
聖母系な彼女と奉仕系彼女の二人を中心に巻き込まれる主人公のドタバタストーリー。
「蒼太、さん。私はあなたが好きです。」
「そーちゃん。私は、そーちゃんがーー」
「僕は...僕、はーー」
彼はなにを決断する?
ちょっとハーレム、それでいて純愛?な物語、始まります。
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