突如鳴り響いたスマートフォン。懐かしい級友の声に顔を綻ばせたのも束の間。切羽詰まった声色で、彼は懇願した。「助けてくれ……!」と。
悪魔をどうにかして欲しい。舞い込んできたのは、そんな依頼だった。
それはとある山中のトンネルに現れるという。
不審に思いながらも了承し、現場へ赴く大学生二人。だが、そこに待ち受けていたものは……。
悪魔か。悪意か。悪霊か。姿無き男からの電話に誘われて。今宵二人は、悪魔を祓う。
『渡リ烏倶楽部』
それは、幽霊やらその他、この世に存在するありとあらゆる怪異。不思議。超常現象。都市伝説を調査し、暴き、追い、時に追われる、オカルトサークルである。
メンバーは二人。
幽霊やらを視れて。それらの存在や領域に干渉・侵入出来てしまう、辰。
幽霊やらを視れて。それらの存在や領域を無差別に観測してしまうメリーさん(偽)。
友達以上恋人未満な二人が今日も行く。
オカルトサークル怪奇譚『渡リ烏倶楽部シリーズ』第六弾。