自分が転生者だと気づいたのは、6人の老人たちに囲まれ、いっせいに光魔法の攻撃を受けた瞬間だった。ここは乙女ゲーム[lumière et obscurité](リュミエール エ オプスキュリテ)の舞台に酷似している世界。そして私はそのゲームのヒロインの姉、エルゼ=オブライエンにどうやら生まれ変わってしまったようだった。ヒロインと攻略対象を奪い合う、いわば悪役。この世界がゲームのシナリオどおりに進むのだとしたら、私は間違いなく廃人、もしくは没落。最悪死亡END。そんなのイヤだ! 自分は誰かを攻略なんてしようとしませんから、お願いですからほうっておいてください!
え? 私がこの世界を救う剣に選ばれし勇者? なんのことですか。
とりあえず、一人でも生きていけるように、魔法の鍛錬に励みます。