彼女が僕のアパートに来て、何をするかというと、トイレに入って出てきません。
出てこないのです。
だって。
彼女は異世界の勇者で、僕は彼女を召喚した神様で。
そして。
彼女は勇者であることに誇りを持っていました。強い心を持っていました。
異世界の危機にも、先頭に立って戦おうとしてくれました。
だけど、だけど……。とうとう、彼女は言いました。
泣きそうな声で、珠美さんは言いました。
「異世界の危機なんて……知らんちん」
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