目が覚める、そこにはいつも見ている天井がある。しかしなんかいつもと違う。
自転車のペダルをこぎ、重い荷物を運びながら、全力で学校に向かう。
外は、寒い冬が終わり、暖かな太陽と風が、私の心をささやく。
学校に着くと、たくさんの仲間が私を待っていた。
「おはよー」
「ねーねー、今度図書館で勉強しない?」
「いいねー!」
「おまえ、」部活何にする?」
「俺、バスケ部かな。」
「マジでー。お前がー?」
教室の中では、いろんな言葉や笑いが行き交っている。
高校生になって一週間、毎日行くたびにそわそわしている。
そして、そのたんびに、中学の思い出がよみがえってくる。
中学では入学したときはそこそこ男だったのに、周囲の勝手で、いつのまにか女の子扱いで中学を卒業していった、ある男の娘のお話です。