寒い寒い冬の日、幼い少女セイランジュは、大好きなお母さんを亡くしました。
「お母さんはね、お星さまになったんだよ」
泣きながらお父さんが指さしたのは、淡い薔薇色のお星さまでした。
お母さんの星にされてしまった少年星のロージィは、じっと自分を見上げて来るセイランジュを、冬の夜空を渡る牡羊の背に揺られながらそっと見守ってゆくことにします。
少女はいつか大人になり、自分もまたいつまでも、お母さんの星のままではいられないことを知らずに……。
おとぎ話のような、たった一つとたった一人の恋物語。
※自サイトにて公開中の作品を、若干改稿して転載しています。
※カクヨムにも転載有り。