前世から乙女ゲームの中の推しに本気で恋をしていたマリアベルは、自分が大好きだった推しのいる乙女ゲームの世界に転生したにも関わらず、悪役令嬢でもヒロインでも、モブですらない、作中に名前も出てこない令嬢になっていた。
それでも、絶対に推しであるユー様と結婚することを諦めるつもりは1ミリもなかった!
「大丈夫ッ、私の方が絶対ユー様のこと好きな自信あるし、原作知識あるし、私の方がヒロインよりユー様のこと幸せに出来るし!! 運命を斬り殺してでもユー様と結ばれてみせるッ!」
そう決意を固めて、舞台であるアルトフェリア学院に入学したにも関わらず、肝心のユー様は絶対零度に冷たい。
「俺に君と話すメリットはないのだからいい加減やめて欲しいのだが」
『え、そんなに喋って貰えていいんですか? ……タダでこんなに幸せな想いして大丈夫? ボイス代払った方がいい??』
────その冷たい態度に微塵も傷つかなかったマリアベルは、愛しのユー様に振り向いてもらうために『ユー様が私と話すメリット5箇条』というプレゼンを始め……?