「私たち、死んじゃったんだよね」
僕の幼馴染である七海はそう言った。七月二十四日の夏祭りの日、高校二年生の夏休みに甘い青春を謳歌していた幽希と七海は交通事故によって命を落としてしまう。
そして二人に起こる異変。とあるカフェで出会う不思議な幽霊たち。存在が消えてしまう≪ロスト≫と名付けられた怪現象。――こうして始まったのは、幽霊になってしまった僕と、一週間後に消滅が約束されている彼女の、どうしようもなく切ない青春を描いたストーリーだった。
「七海に残されていたのは、七月二十五日から七月三十一日までの一週間だけなんだ」
僕は彼女を救おうと決意する。
「未来を視たぼくが問う。それがきみの答えだね?」
平凡な毎日を生きたいと願った二人の高校生の前で、それでも、死にたいって言えますか?