志水 玲穂(しすいれいほ)は社会人歴二年目の若者である。運動神経、学力、人付き合い、活力、どれもこれも平均並みかそれ以下で、やりたいことも無く漠然と生きていた。そんな彼はただの好奇心で買い、口にした黄金のリンゴによって異世界へと転移してしまう。
魔物や魔法や異種族が当たり前に存在する世界で、神様や謎の声に導かれるわけでもなく、特別な才能を授けられるわけでもない。しかし、なぜか他の転移者や転生者は固有のスキルやアビリティを持っているという。更には、共通言語のアビリティを覚えるのにツケ払いを課せられる始末。
不遇気味な始まりとなってしまうが、どこか楽観的でマイペースな玲穂は異世界ならではの職業、冒険者となれたことで自由気ままな生活を送ることを決めるが……。
記憶喪失、家出、差別等々、問題や悩みを抱えた仲間を引き連れたり、他の転移者や転生者と悶着を起こしたりしながらも、異世界で自分の生き方を探す物語。