魔法の才能がないことから実の父親にも冷遇されていたティアナは、それでも亡き母に誓った“正義の魔法使い”を夢見て研鑽を重ねていたのだが、ある日ついに父親から魔法訓練の禁止を言い渡され、屋敷に軟禁されてしまう。
途方に暮れるティアナだったが、ちょっとしたトラブルから危機に陥った瞬間、母の形見だったぬいぐるみが突然動き出す。
『俺がお前を魔法使いにしてやるよ』
自らを百年前に死んだ大賢者・ラルフと名乗った偉そうなぬいぐるみの弟子になったティアナは、彼の行う常識外れの指導を受ける中で、少しずつその才能を開花させていく。
やがてラルフの力でこれまでにない全く新しい魔法、“命属性魔法”の適性に目覚めたティアナは、その力で自身の夢に向かって走り出す。
これは“無能”な少女が“無力”となったぬいぐるみに出会い、やがて最強の英雄へと至る物語。