妖精は空想上の生き物で、魔法は遥か昔に失われ、伝説とお伽噺の中にしか存在しないと誰もが思っている時代。
地主だった両親を亡くし、妹と共に遺品整理をしていたエステルは、曰くつきのネックレスを見つける。
好奇心からそれを身につけた妹は、屋敷裏の森で忽然と姿を消した。
残されたネックレスにより宝石の中へ引きずり込まれたエステルは、見知らぬ城の中で目覚める。
迷宮のような広間、様々な異空間へ繫がる部屋々々。妹を探して出口と窓のない奇妙な城の中を駆け回る中で、彼女は銀色の目をした不思議な魅力の青年、ウィリアムに出会う。
彼と協力して城から脱出することを誓ったエステルだったが、妹を探しながら城内を探索する内に、魔法城に隠された世界の真実へ触れることとなるのだった。
果たして、エステルは妹を見つけ出し、ウィリアムと共に魔法城から脱出することができるのか――?
「輝き続ける俺の星、どうかその目映いきらめきを忘れないでくれ」
――これは、夢を忘れた少女と、幻想を諦めなかった男の、希望を取り戻すための物語。